ジュエリーハナジマ社長のコラム

宝石の持つ力(社長の花島による手記をご紹介致します。)

こんにちは。 ジュエリーハナジマ花島路和です。

先日、長野の駒ヶ根市のジュエラーに勉強に行ってきました。

駒ケ岳のふもとの空気の良い素敵な町に、ひと際目立つ素敵な宝石店。 片道4時間50分位かかり大変でしたが、その苦労を忘れさせるほど、良い勉強になりました。

この気付きを是非、良い形でジュエリーハナジマにお客様がより喜んでいただけるようにフィードバックしたいと思っています。 よく人から「花島さんは、本当に宝石が大好きなんだね!」と言われますが、本当に大好きで、大好きでしょうがなくて、宝石商をしています。

宝石の魅力は、類まれな美しさ、希少性、永遠性、何万年、何千万年、何億年と言う時間をかけて出来上がる神秘の力、その全てが宝石の魅力なんです。

類まれな美しさを持つ宝石には人を元気にしたり、明るくしたり、笑顔にしたり、誇りを持たせてくれたり、何事にも負けない自信をくれたり、生きる勇気や、思い出を伝える限りない力があるんです。 私が26歳の頃、宝石を通じて知り合った素敵な女性がいました。

その素敵な方は、癌をわずらい余命1ヶ月と宣告されたので、子供達、お嫁さん達、お孫さん達に、自分の生きた証にジュエリーを形見分けしたい。

サイズ直しや、新品仕上げをして欲しいので、自宅に来て欲しいと電話を頂いたのが始まりでした。 ご自宅にお伺いすると、ベッドに横たわり、起き上がる事ができない60代のご婦人がいらっしゃり、消え入るような小さな声で「忙しいところ、お呼び出ししてごめんなさいね」

本当に人生の終わりをもうすぐ迎えるんだと、お声を聞いたときに、若かった私でも一瞬にして感じました。 「私の持っている宝石を形見分けに上げようと思うので、サイズ直しと新品仕上げをお願いしたいんです」

お嫁様が金庫から宝石箱を出してくださり、「これはお父さんが、私に初めてプレゼントしてくれたダイヤモンド。当時は、こんな小さなダイヤモンドでも高価でなかなか買えなかったんですよ」と1つ1つの指輪や、ネックレスや、ペンダントにまつわる思い出のお話を聞かせてくださいました。 その思い出の詰まった宝石の1つを、お孫様のためにデザインをリフォームしてあげて欲しいと言う依頼があり、次回お伺いするまでに素敵なデザインを数パターン書くことに決まりました。

お孫様のイメージをお聞きして、その素敵な方の思いのこもったデザイン画を1週間で数パターン描き上げ、オートクチュール感を出す為に、トライアングルカットのダイヤモンドや、イエローサファイヤ、タンザナイト、ピンクダイヤなど、一般のジュエラーでは当時使う事がまだ少なかったダイヤモンドのファンシーカットや、ファンシーカラー、カラードストーンのメレーサイズなど、色とりどりの宝石たちをデザイン画の上に乗せてご覧頂きました。

素敵な方がそれをご覧になりながら「初めてデザインを描いて頂いて、そのデザイン画の上に色とりどりの眩いばかりの宝石をおいて頂いたけど、宝石がこんなに楽しくて美しいものだとは知らなかったわ」

あんなに元気のない小さな声しか出せなかった素敵な女性の方とは思えないような、笑顔で、弾んだ声でおっしゃってくださいました。 後日、指輪のリフォームの出来上がりを御納品にお伺いしたところ、指輪のリフォームがあまりに素晴らしい出来栄えだとお褒め頂いた後、「今度は、私に合う宝石とデザイン画を見せて欲しいの、大丈夫?」

私は、1週間いただければデザイン画と最高の輝きを持つ宝石をお持ちできる事をお話し、1週間後に、澄んだ海の色を持つアクアマリンと、ひまわりのように誰にでも元気を与えられるようなゴールデンサファイヤと、燃えるような最高のルビーなど数点の宝石と、その1つずつの宝石のデザイン画をお持ちいたしました。 ご自宅に約束の時間にお邪魔すると、ベッドを起こして起き上がっていらっしゃり「1週間楽しみに、早く今日が来ないか、早く今日が来ないかと首を長くして待っていたのよ!」と弾む声でおっしゃってくださり、お部屋に差し込む日差しの中で、ご自分の為の宝石とデザインを、自然光の中で美しさを楽しんで頂いていると、「これを付けて、また素敵なレストランにでも食事に行きたいわ。花島さん、是非このデザインでひまわりと言う題名のゴールデンサファイヤをメインにした作品を作って下さい」 「でもあんまり待たせないでね、首が長くなるのはこりごりだから!」 余命一ヶ月と呼ばれた素敵な方は、日を追うごとに元気を取り戻され、私のために絵を描いてプレゼントして頂くまでになられました。

最後、亡くなる前の日に呼ばれ「花島さん、凄く楽しかったですよ、あのひまわりと言う作品は、お嫁さんに、いつも笑顔で皆を明るくしてくれる人だから、彼女のサイズに直してあげて。アクアマリンは、孫に合わせてサイズを直してあげて、彼女は純粋な心を持った優しい人だから」 お亡くなりになった後、その時のお話をご家族様にさせて頂いたところ、どの方の瞳からも大粒の涙がこぼれ、「この宝石をおばあちゃんだと思って大切にします 。素敵な思い出を作ってくださって有難うございました。花島さんが来てくださってからの1年半、母は楽しく生き生きと過ごせました。母にとっては、かけがえのない1年半になったと思います」 その言葉を聞いてから、涙が止め処もなくあふれてとまりませんでした。 私の、宝石が大好きで大好きでしょうがなくなる始まりを作って頂いた、感動的な出会いでした。